2023/09/10

KSCVCふたたび

 Apollo/Saturn V Centerの見学を終えて、ふたたびKSCVCまで戻ってきた。前の記事で書いたとおり、途中の道端の松の木にある白頭鷲の巣をやっとこの時目視することができた。

バスターミナルに戻ってくると、バスツアー出発前に「並んで並んで」と言われて撮られた記念写真を買わないか?という観光地あるあるのセールス。話を聞いてみるとここで代金を払っておくとKSCVCのいろんな場所で写真を撮ってもらえてクラウドにアップロードされて、QRコードをグループでシェアすれば、そのコードを見せるだけで誰でも写真を追加できるらしい。面白そうなので知人と割り勘で支払ってみた。


 クロマキーも不要で自動で顔認識して宇宙服を着ている自分の写真を合成したりもしてくれる。写真は即座にクラウドでシェア。21世紀感あるねぇ。ちょっとお高いけれど米国旅行の思い出をリアルタイムで知人たちとLINEグループで交換し合って盛り上がるのも悪くない。待ち行列のあいまにサクッと撮ってくれるので手際もいい。


代金を支払うとこういうカードをくれるので、次の撮影ポイントではこのQRコードをみせるだけ。知人たちとLINEグループでシェアした。storibox.comという会社が作った技術らしいけど会社概要のページが見つからないのでこういう記事を代わりにご紹介

ところでこの記事を書くためにKSCVCの各施設を確認しようとしていて気がついたのだが、これから訪れようと考えている人はKSC Guideというアプリを事前にインストールしておくのがよいようだ。こういう民営化はよい民営化。

KSCVC見学は今回で3回目になるので新しい展示だけ見ておこうと思ってまずはSpace Shuttle Atlantis棟を見に行った。

 
 スペースシャトルの実機は10年前にスミソニアンでディスカバリー号を見たので特別な感慨は今回なかったが、やはり「よくこんな巨大で危険で複雑なしろものをアメリカは宇宙へ送り続けたよなぁ」と心底驚いてしまう。とくにFalcon9やCrew Dragonのしれっと宇宙へ行って戻ってくるさまを見せつけられてしまうとなおさらだ。宇宙へ行きたかったのは危険でかっこいいこいつに乗りたかったからだ。自分もシャトルも歳老いたな。

15年前にここに来た時には真新しくて大人気だったShuttle Launch Experienceもこの日はすぐに乗れた。本物に乗った宇宙飛行士たちも「この経験は限りなく本物に近い」と太鼓判を押す施設。出口には体験した宇宙飛行士たちの署名が飾られている。行列の短さが時代の変遷をまたしても実感させる。



次に訪れたのはGateway: The Deep Space Launch Complexという施設。ここにはFalcon9やSLS、Dream Chaser、CST-100 Starlinerなどが展示されている。これからの若い世代が見るべきNASAはここやね。天井にはデーンとFalcon9の一段目がぶら下がっている。

この機体はInstagramのこの人によればFalcon9 B1023らしい。2016年にFalcon9一段目としてThaicom8を打上げ、2018年にFalcon Heavy Test Flightのブースターとして回収された実機。デカいんだけどデザインがすっきりしているのでデカさを感じさせない、これもスケール感覚をバグらせる系のしろもの。

2012年5月のCOT-2ミッションで使用されたCargo Dragon C102も展示されていた。

この建物は現在進行中あるいはこれから打上げられるミッションのモックアップ展示なので、実機以外はやや印象が弱い感じがした。

次にIMAX Theaterで映画を見ようかと向かったけれど、この日の上映はもう終わっていた。早っ。36年前に初めてKSCVCを訪れた際はチャレンジャー事故の調査でシャトルは飛行停止になっていたけれど、The Dream Is Aliveという映画をみて、アメリカ人の国民性に感動したものだっけ。日本だとこういう感覚にはならないだろうなぁと思いつつ。

 MCO着陸からここまで20時間。そろそろ眠くなってきた。Crew7の打ち上げは深夜なのでこのまま時差ボケをなおさずに日本時間のままでいようと思って、知人たちとは夕食会でまたあう約束をして一人KSCVCをあとにBest Westernに戻ることにした。


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