NASAの有人ロケットはフロリダにあるケネディ宇宙センター(KSC)から打ち上げられる。マーキュリー計画のアラン・シェパードもジョン・グレンも、人類初の月着陸を達成したアポロ計画も、スペースシャトルも、みんなここから宇宙へと旅立っていった。
KSCの最寄りの空港はオーランド国際空港(MCO)になる。じつはMCOに来るのは今回が4回目。慣れているはずなのにゲートからレンタカーのカウンターを目指して歩くと袋小路に迷い込んだ感覚になる。ちょっと戸惑っているとGate Linkというシャトルの乗降口がさっと開いて、ターミナルビルまで連れて行ってくれる。今でこそ成田空港の第二ターミナルにも無人運転のシャトルがあるので珍しくはないが、初めて訪れた36年前には随分と近未来的な感覚がして驚いたものだ。
MCOのレンタカー各社のカウンターはTerminal Aの到着ロビーにずらりと並んでいる。今回はなんとなくHertzを選択したので一番遠いところまで歩くことになり、少し損した気分。予約番号を伝えてパスポート、国際免許、日本の免許証を見せて有料道路通行のSUN PASSは要らない旨を伝えてしばらく待つと紙のフォルダをポンと渡されるので、徒歩で指定の立体駐車場に向かう。
指定されたロットが見つからなくて少しうろうろしたのちにやっと見つけてドアを開けて乗り込む。最近のレンタカーはカーナビの設定がないことが多いと聞いていたので、あらかじめiPad miniを持ってきて使い慣れたGoogleマップをカーナビとして利用した。楽天モバイルの回線なので海外ローミングが2GBまで無料というのがどこまで使いものになるのかを実証したかったのがその理由のひとつ。
7日間走ってGoogleマップのデータ使用量は90MB程度だった。他のアプリと合わせても海外ローミングは300MB以下。これなら使い方さえ気をつければ楽天モバイル最強かも??車を降りた時に盗まれると困るので、iPadをダッシュボードに固定するための強力磁石も持っていった。車を返す時に剥がすつもりだったけど、うっかり忘れていて気がついたら飛行機の中(滝汗
そういえばコックピット内でiPadが落下してチヌークが墜落した事故も最近あったので、良い子は真似をしないように←
iPhoneのほうはCarPlayで繋いでみた。お気に入りの曲を自在に聴くことができる。夜の高速道路をぶっ飛ばしながら聴くYOASOBIのアイドル、まじ最高♪
ただしCarPlayとiPhoneの通信はWiFiを使うみたいで、あとで気がついたのだがiPhoneをモバイルルーターに接続しているとCarPlayが使えない。しかたがないので翌日からはただのBluetooth機器として接続してiPhoneの楽曲を聴いていた。もろもろのチェックを終えてさぁ今夜のホテルに向かうか、と走り出してからわずか10mでウィンカーの代わりにワイパーをチッコンチッコンさせる「米国入国の儀」を済ませた。外車あるあるだよね。いかんいかん。MCO着陸からここまで1時間45分。
今回はテスラに乗ってみたいという気分も少しあったのだが、MCO到着が夜間であること、NASAのイベントも深夜の指定場所に時間通りにつかないとバスに乗れない、という制約事項が強かったので、慣れない電気自動車で身動き取れなくなるリスクは避けたいということで保守的にガソリン車を選択した。コンパクトカーを選んだはずなのに高速道路での走行性がやたら素晴らしい。車種をみるとChevrolet Malibuだった。Malibuか。あまりにも懐かしい。大学院生時代に乗り回していたのが70年代のボロボロのMalibu中古車だったのよね。といっても当時乗っていたのはこんなやつだったけど。
駐車場を出る時にさっき渡された書類を係員にみせて、車を間違えていないことが確認されるとゲートが開くので走り始める。MCOからホテルのあるTitusvilleという田舎町まではまずSR528 Toll Way Eastに乗って、SR407に乗り換えてI-95 Northを目指す35分ほどの道のり。途中、こことここに料金所がある。そのまま無視して強行突破した知人もいるのだが、あとでレンタカー会社から2万円近いクレジットカードの追加請求を食らうのでおすすめではない。SUN PASSのレーンを違法にすり抜ける車はナンバーを控えられている。