2023/09/22

Return to Base

オーランド空港(MCO)を飛び立った飛行機は南向きに離陸して左に旋回するとワシントン・ダレス空港(IAD)に向かった。

窓際の席に座れた時には離着陸の動画を撮ったり上空からなにか面白そうな建物や地形を見つけると写真に撮ったりする癖があるので今回も撮りはじめた。日本だったらあまり問題にならないけどこれが中国だったらまず尋問されるやつ。アメリカでも良い子はやみくもに真似しないほうが吉。だと思う。

ふと窓の外をみたら飛行場があるな、と思って撮ったこの写真。撮影時刻と離発着時刻からだいたいの距離の見当をつけてGoogleマップで地形の特徴を探す。アニメの聖地特定みたいな感じで楽しめる。ここかぁ。海軍さんなのね。なんか楽しそうなことやってる。

IADに近づいてきたらまた飛行場が見えた。これは民間の飛行場ね。集荷センターみたいなのが横にある。ここもなんか楽しそう

こういう感じでたまたま見かけた地点の聖地特定をしているとGoogleマップが傾向を学習して「こんなのも好きなんでしょう?」と提案してくれるようになるので、毎日が発見になる。

IADでの乗り換えは50分ほどしかなかったけれど、羽田便のゲートは近かったので難なく間に合った。機内では「007 No Time to Die」を観はじめたのだけど、さすがに疲れがたまっていたので半分ほどで寝落ちした。

***

KSCではアルテミス計画の最初のクルーの打上げ日リハーサルが開催されたらしい。新しい世代の(でも我々の世代の感覚とも近い)宇宙開発がまたここから始まるのか。


Image Credit: NASA

今回の渡米で感じた(20世紀の)アメリカの強さをひとことでまとめるとすれば「信念をもつリーダーをどのように選んでそのリーダーに国運を賭け、必要な資金と人材を集めて円滑に運営させていくかというノウハウ」が蓄積していること、に尽きると思う。

マンハッタン計画にせよアポロ計画にせよ、オッペンハイマーやフォン・ブラウンのような天才を発掘し、発掘したその人物を信頼して資金と人材をかき集めてくる手腕がすごい。どうしてもそのプロジェクトを率いた一人の天才に注目してしまうけれど、天才は一人では足りない。「その天才を信頼してプロジェクトを支えたプロデューサー役は誰もしくはどんな組織だったのか」という分析がこれまでは足りていなかったような気がする。いや分析はされているのだけど、そこから先を真似しようとしてもうまくいかない。

逆説的だけれどうまくいかないのがじつはあたりまえ、だからなのかもしれない。アメリカでも頓挫した巨大プロジェクトはじつは無数にある。「頓挫することがあたりまえ」を必要なコストの一部として許容できるのかどうかという国民性の違いに注目する必要もあるのではないか。いやアメリカ国民だって失敗を許容なんてしてはいないと思うがそれでも社会が前に向かって進んでいく。それはなぜか。

もう一つ、国を救ってくれた英雄とも言えるオッペンハイマーにしてもフォン・ブラウンにしても、彼らがその後、国策とは異なる方向に歩み始めたと判断されるやいなや、あっさりと梯子を外されて冷遇される、という冷酷な一面がアメリカ社会にあることも忘れてはいけない。一人のエンジニアとしてそういう人生を過ごすことを幸福だと思えるのかどうか。

才能のある天才を発掘してその個人に国運を賭ける、という手法からは西洋型の封建制度を感じる。

中国や日本の封建制度は皇帝や殿様が臣下の一族に土地を封建し、その見返りとして主従関係を締結するのに対し、西洋では国王と臣下が双務的契約関係を締結するのだとされる。騎士は国王に絶対的忠誠を誓うが、国王が崩御するとその騎士は次に誰に仕えるのかを選択する自由がある。シリコンバレーでいろんな天才たちが次々といろんな会社を渡り歩いて活躍しているのがこの西洋の騎士のイメージに近い。

日本の社会はこの血族的な封建制度の延長線上として「お家だいじ」「学校だいじ」「組織だいじ」「省益だいじ」という絶対的価値観を前提として個人の本音よりも組織の存続を優先するように動いているように見える。粘菌がそれぞれランダムな動きをしているように見えるのに迷路を最短距離で通り抜ける最適解をいつの間にか見つけ出してくるようなイメージ。

日本でマンハッタン計画やアポロ計画と同規模の巨大プロジェクトといえば連合艦隊の創設かもしれない。最初から「真珠湾を攻撃するぞ」という明確な目標があったわけではなく、一人のリーダーが計画をオーケストラのように指揮したわけでもなかった。全体としてはいろいろと迷走しているが、個々にみれば戦艦大和にしても零戦にしても酸素魚雷にしても様々な天才たちがそれぞれの持ち場で才能を発揮して局所最適解を導いている。まさに国運を賭け、限られた資源と人材を投入し尽くしたと言える。日本独自の原爆を開発する目論見もあったが、結局は資源も人材も時間も求心力も足りなかった。

これはどちらがいいという問題ではなく、それぞれの社会がどのように成立して、それぞれどのようなやり方が適しているのかが表面上はかなり異なっているから、かもしれない。

今でこそ飛ぶ鳥を落とす勢いでロケット打上げ市場を席巻しているSpaceXだけれど、ロケットの1段目を射点に戻して回収するというアイデアを最初に発表した時はみんな驚いたし懐疑的だった。どこの馬の骨とも知れない新興企業に投資することに賭けたNASAの決断はお見事というほかはなかったし、そのNASAにしてももう一度同じことをやれと言われても、おそらくは失敗する確率の方が高いだろう。ほんとうに注目すべきなのはNASAがこれまでどんな失敗を繰り返してきて、どのような失敗の上に現在の成功があるのかのマネジメントのノウハウのほうかもしれない。

SpaceXだって次のStarshipが成功したとしても、それによって民間市場を開拓して資金調達ができるのかどうか、余談を許さない。もしかしたら太陽光発電を今のStarlink衛星のように大量にばらまいてあっさりと「誰しもが買いたいと思うサービス」を提供し始めるのかもしれないし、あっさりと経営破綻してイーロン・マスクは孤独な老後を送ることになるのかもしれない。巨大化した恐竜はちょっとした環境の変化ですぐに絶滅するリスクを背負う。指数関数的成長はどこかで必ずガラスの天井にぶつかる。その天井はどこにあるのか。

家に帰ってきたときふと「RTB」という言葉が頭に浮かんだ。Return to Base、つまり基地に帰投した、という軍事用語だが、Baseには基盤、基礎、土台、基底、という意味もある。1週間の旅行の記憶を薄れないうちに残しておこうと思って書き始めたこのブログだけれど、まとめるのにその3倍の時間がかかった。それだけ濃密な時間を過ごしていたということか。明日からはまた日常の生活が始まる。一種の興奮状態から覚めて基底状態に戻る。


ご愛読ありがとうございました。RTB

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2023/09/21

MCO Reserve

 「オッペンハイマー」を観たあと遅めの昼食を食べようと中華料理屋を検索して、小さなモールの一角にあるテイクアウトの店に入った。3日前に行ったフランチャイズの店とは違ってこじんまりと独立した店だ。

カリフォルニアロールを頼んでから飲み物はなんにしようかと思っていたらBubble Teaというのがあったので併せて頼んでみた。「炭酸茶?」と思ったら、甘ったるいタピオカドリンクのことだった。寿司にあわせるのはちょっと微妙…

食べ終わって隣のスーパーをぶらついているとメラトニンがあったので時差ぼけ対策に買ってみた。前に飲んでいた時はあまり効いた気がしなかったけれど、なんとかの頭も信心からというしね。

Days Innに戻って帰宅のための荷造りを整えていると、ユナイテッド航空からSMSが着信したのでさっそくアプリで翌朝の便をアプリでチェックイン。

「ここに書かれているMCO Reserveってなんだろう?」と思ってリンク先をみてみると、どうやら事前に到着時刻を指定しておくと空港でのチェックインがスムーズになるものらしい。仕組みがよくわからないけれどこのブースを目指せばいいのねと確認して登録しておいた。

***

翌朝は2時に起床。昨日のスーパーで買っておいたTVディナーをレンジでチンして食べる。

Days Innを6時にチェックアウトしてオーランド空港(MCO)へと向かう。7日間の旅をサポートしてくれたMalibuともこれが最後のドライブ。東の空が白みはじめた。Bluetoothからは「ダイヤモンドの純度」が流れてきた。んー、SR528をぶっ飛ばしながら聴くと気分はさいこーにアガる。早見沙織さんの声、好きだ。

なんとなく20世紀のNASAから時の流れを加速しつつ21世紀の現代日本まで戻っていく気分になった。帰国したら翌朝から普通に仕事だ。

料金所でクォーターをバスケットにチャリチャリと放り込みつつ、空港から一番近いBP石油のガソリンスタンドに着くとまだ営業してなかった。しかたがないので空港の南にあるSHELLまでドライブ。そういえば初めてアメリカにきた頃は映画の中でしか見たことがなかったセルフ給油のガソリンスタンドに感動したものだっけ。

今回は240マイルほど走って28.7マイル/ガロン。12.2km/ltか。でかい車のわりになかなかよく走るのね。知人には「当日の朝に空港のそばで給油するなんて度胸あるな」と言われた。その人は前日にTitusvilleで給油したけれど満タン返しの扱いだったとのこと。

MCOでレンタカーを返却するにはTerminal Aを目指す。立体駐車場に着くと会社ごとにあっちいけとかこっちいけとか分岐があるので、表示を見落とさないように注意深くHertzを目指す。返却レーンの一番前までいって荷物を下ろし、車内に忘れ物がないかを二度ほど確認して係員のチェックを受ける。1分で終了。効率がいい。

しかしiPad miniを固定するために貼り付けておいた強力磁石を回収するのを忘れていたことを飛行機に乗ってから思い出した。しまった冗談で買っておいたこのタグをぶら下げておくべきだったか。戦闘機がスクランブル前にこれを外すのは、ちゃんと意味があることだったのね。

MCOのセキュリティチェックは知人たちからの情報どおり早朝なのに長蛇の列だ。うまく事前に登録した時刻にたどり着くことができた。MCO Reserveと書かれた緑色ののぼりがある場所に立っているお姉さんにiPhoneのQRコードを見せるとハンドスキャナーで読み取ってからこっちだ、と案内される。

すげー、並んでないじゃん!とそのまま進もうとすると「待て」と言われた。金属探知機のレーンはMCO ReserveとTSA Standardの待ち行列が櫛状に共有されている。前の乗客が通り過ぎたのを確認して進もうとするとTSAの列から「Excuse me, are you TSA Pre?」と年配の女性から苛立ったような声が聞こえる。あーこれ「てめぇ勝手に割り込んでくるんじゃないわよおまわりさ〜ん!」というイントネーションの「Excuse me」だ。くるりと踵を返して水戸黄門の印籠のようにiPhoneのQRコードをひらひらと見せながら「No, I'm MCO Reserve」と勝ち誇ったような顔で宣言してレーンに進んだ。われながら趣味悪いと思うよほんと。しかしこの特権階級のような待遇にはなかなかお目にかかれないからな。

あまりにもスムーズ過ぎて空港で飲んでから捨てようと思っていたペットボトルの水をセキュリティチェックで捨てるハメになったのと、X線検査のトレイに置いた消毒用エタノールの小分け瓶とマスクをそのまま忘れてきたことをあとになって気がついた。自分でも気がつかないうちに平常心を失っていたらしい。マスクは予備があるからいいけど、これもいい気になっていた天罰だな。かみさますみません私は悪い心をもってしまいました。

MCO ReserveはCLEARという会社がやっている有料のサービスを無料で体験させてくれる仕組みのようだ。一種のお試しコースか。MCOには休暇で来る家族連れも多いだろうから、ここでいい気分を味わうと年間登録料を払ってくれる利用客が増えるという目論見なのかな。

調べてみるとこの種の優先レーンのサービスにはCLEARとTSA Preの二種類があるらしい。

ざっくりまとめるとTSA Preは米運輸保安庁(TSA)が提供する公的サービスでTSA PreCheckが正式名称。TSA Preに申請できるのは米国籍もしくは永住権を持つ市民ということらしい。入国審査の際のGlobal Entryの資格があればTSA Preも自動的についてくるとのこと。ただしそれ以外の乗客に対してTSAの側から勝手にTSA Preを割り当てることもあるようで、その基準はよくわからない。

一方のCLEARは民間が提供するサービスで、各航空会社が年間登録料の割引プランを提供しているようだ。今回はユナイテッド航空がタイアップしてMCO Reserveを薦めてくれたのね。

日本だと公的なサービスと民間のサービスとがそれぞれ別のレーンでサービスを提供するような状況なんてちょっと考えられない。せいぜい毎年入札をやって落札した企業が一年間だけサービスを提供し、次の年は別の企業がまたシステムを構築してまた違うサービスを提供することになる、という、誰も幸せになることのない非効率な状況が容易に想像できる。「平等」ってなんだっけ。

 さっきのページにもどると、TSA PreとCLEARは競合するものではなくてお互いに補完的なメリットがあり、両方に登録しておいても問題はないものらしい。例えばTSA Preだと靴を脱ぐ必要がなくて簡易版の金属探知機のゲートを使ってよいとか。意味わからん。

なんでこういう混乱した状況になっているのかをじぶんなりに想像してみると、おそらく9.11以降、アメリカの空港ではセキュリティチェックや入国審査が厳しくなっていて、行列の待ち時間が長くなるいっぽうなので、リスクが低いと判断できる乗客をあらかじめ事前にデータベースでチェックして検査や審査を簡素化することによって空港機能の破綻を防ごうとしてあがいているのだと考えられる。

つまりTSA PreもCLEARも、それぞれの組織が蓄積している乗客一人一人のデータをある基準でスクリーニングして、危険度や不審度が高い乗客を事前に見分けておくためのサービスなのではないか。知らんけど。

じぶんの場合はこれまで20回くらいは日本とアメリカを行き来していて、そのほぼ全てでユナイテッド航空を使ってきたので、航空会社に蓄積されているじぶんの信用情報がかなり高いレベルに達しているのではないかと思われる。CLEARはユナイテッド航空と秘密保持契約を結んだうえでその情報にアクセスしているのではないか。

いっぽうTSAは公的機関なので、出入国の情報は独自に管理しているし、最近では電子パスポートにかなり詳細な情報が記録されるようになっているらしい。じぶんの米国出入国記録についてはこちらのサイトの"View Travel History"から自分のパスポート番号を入れるとチェックできるよ、とあとで知人から聞いた。

と考えてみると、公的なサービスと民間のサービスが併立している理由をなんとなく納得できる気がする。知らんけど。

知人の中には今回搭乗券に「SSSS」と印刷された人がいて、なんだそれはと思ったら、Secondary Security Screening Selectionというものらしい。つまり「要注意人物」というフラグで、入国審査で別室に連れていかれて徹底的な尋問?を受けるのだとか。そんなものがあることすら知らなかったじぶんはやはり恵まれた星のもとに生まれたのか?

余談になるが、成田で税関を通過する時に係官はよく、じぶんの顔を見るなり無言であごをしゃくって「行け」のジェスチャーをする。パスポートを数ページぱらぱらと目を通したふりをする。顔パスかよおれの顔ってそんなに覚えやすいん?

冗談はさておき、日本の場合は係官の職業的な勘が水際対策の重要な要素になっているのだろう。乗客が荷物をターンテーブルから拾い上げて税関に近づくまでのふるまいやちょっとした質問への反応などから不審度を判断しているようにみえる。

スイスとフランスの国境を通過する時も係官は目の前の車の運転手とやりとりしてる間に次の車の運転手の目をちらちらとみている。検問所に近づくときに車がちょっとふらついたりすると、かなり徹底的に調べられる。スイス人は勤勉に平均的にチェックする。フランス人は同僚とくっちゃべっていてサボっているように見えるがここぞというときには徹底的にチェックする。

日本がいいとかアメリカがいいとかという問題ではなくて、これはやっぱりお国柄なのだなぁと感じる。

 MCOのセキュリティを3分で通過してフードコートで軽く食事したあと、Gate Linkで出発ゲートに向かった。

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2023/09/20

映画「オッペンハイマー」

1日に2回のFalcon9夜間打上げを堪能したあとは再びUberに乗ってTitusvilleのDays Innに戻った。帰りのUberのドライバーは黒人の女性とその娘さんなのか若い女性が二人で乗っていた。セキュリティ対策なのかな?

たっぷり寝て起きて「オッペンハイマー」という映画を観にいこうと思い、昨日通りかかったシネコンでの上映時刻をチェックした。


11時15分か。まだ時間があるな。にしても上映時間3時間1分って長すぎないか?

そう、この映画を観ることがもう一つのミッション。原爆を作り上げたマンハッタン計画の中心人物だった物理学者オッペンハイマーと彼を計画の中心に据えた米陸軍准将のレズリー・グローブスのちに水爆開発推進の立役者となった原子力委員会委員長ルイス・ストローズ※との相剋を描いた物語だ。監督がクリストファー・ノーランと聞けば、面白くないはずがない。でも原爆がテーマなので日本での公開予定はいまのところないと聞く。今回の渡米がスクリーンで観る絶好のチャンスというわけ。

※ 記事初出時、映画の主要人物をとり違えていました。ご指摘くださった方ありがとうございます。

古川さんが乗るCrew DragonのISSドッキングのタイミングが近づいていたので、iPad miniでNASA TVをチェック。9時16分(日本時間22時16分)ドッキング!


古川さんたちすぐに出てくるかな、と思ってみてたらなかなか出てこない。おっと映画の上映時間に遅れるな、と慌てて車に乗った。

昨日ピザを食べたモールまで車で15分。予約せずに来たので最前列と二列目のプレミアムシートしか空きがないという。しかたなく二列目の席を買ったけど4ドルだった。安っ! 電動リクライニングで寝そべってスクリーンをゆったり見上げることができたので、これはこれで快適だった。

にしても上映時間3時間1分って長すぎないか?

途中2度ほどトイレに立ってしまったのでストーリーがちょっとあやふやなところがあるけど、クリストファー・ノーラン監督らしいとてもいい映画でした。キリアン・マーフィーがいい演技してる。

以下、ネタバレを含むのでこの映画(とインディ・ジョーンズ「クリスタル・スカルの王国」)をこれから見ようと思っている人はここで読むのを止めておいたほうがよいかも。といっても史実に沿ってストーリーが進行するので、知っている人は「それ知ってるよ」という楽しみ方もできる。


***


マンハッタン計画がどういうものかについては松浦さんのこの記事の後半部分が詳しい。「え、松浦さんもこの映画を観るためにアメリカに来てたの??」と誤解するくらい詳細な解説が書かれている。つまり監督はマンハッタン計画の史実の人間的な部分をかなりうまくこの映画に取り込んでいる。

同時期に公開された「バービー」がSNS上で話題になり、この二つの映画をくっつけたファンアートがネットミームとして話題になっていて、あろうことかバービー公式のTwitter(𝕏)アカウントがそのネットミームに乗っかってしまうという事件があったのだけど、結局はバービー公式が謝罪するハメに陥っている。松浦さんの記事を読んでから「バービーも観ておくべき怪作だったのか」とちょっと後悔した。

閑話休題

マンハッタン計画はアインシュタインが「核分裂を利用した新型爆弾が開発できる可能性とドイツが先行して研究を進めている」という懸念を伝える手紙をルーズベルト大統領に向けて送ったことが始まりだと言われている。ただしこの手紙を書くよう提案したのは物理学者レオ・シラードで、彼の知名度をうまく利用したとも言われており、アインシュタインは晩年になってこの手紙に署名したことを後悔していると告白している。
 

映画ではルイス・ストローズがオッペンハイマーを計画の責任者としてスカウトし、その後、オッペンハイマーが池のほとりに立っていたアインシュタインと会話をする場面が最初のクライマックスといえる。軍に対して距離を置きたいアインシュタインがストローズをまるでそこにいないかのように無視して通り過ぎていくシーンが印象的だ。映画のために演出されたシーンかもしれないけれど、じつに象徴的に描かれている。

マンハッタン計画といえば子供の頃「アメリカはものすごい科学力を持っているので、総力をあげた国家プロジェクトを遂行することで極めて短期間で原子爆弾を造りあげることに成功した」という(日本は逆にそれができなかった)という倒錯したサクセスストーリーとして聞かされてきたような気がする。少なくともじぶんの世代ではどこかしら完全無欠の強大な敵国の国家プロジェクトという印象を植え付けられてきた(だれに?)ような気がしないでもない。それはある種の「だから日本は負けたんだよ」という諦念のルサンチマンを少し上の世代が持っていたからなのかもしれないし、GHQの巧妙なメディア戦略の成果だったのかもしれない。

成長するにつれてファインマンの伝記を読んだり他の物理学者たちが当時どのようなことを考えていたのかを断片的に読み進めていたので、計画の人間的な側面も少しずつ理解するようになってはきていた。けれど後年オークリッジ国立研究所を訪れたときに案内してくれた人が言葉の端々に込める「南部諸州がいかに北部の経済発展から取り残されてきたか」についての恨み節や、この研究所がマンハッタン計画でいかに重要な役割を果たしたのかを誇りに思っている様子などをみて、この物語は過去のものではなく現在進行形であることを身にしみて感じた。

映画はストローズとオッペンハイマーを取り巻く人間関係や葛藤を中心に描かれる。うっかりするとこの二人の活躍だけで原爆が完成したようにも感じられてしまう。が、もちろんそんなことはない。エドワード・テラーはじつにいけすかないやつとして描かれているし、ノイマン型コンピューターのフォン・ノイマンもちらりと登場する。実際にはこれらの天才たちが時にはぶつかりあい時には時にはわくわくとパズルでも解くように原爆設計に必要な理論的考察をすすめていく様子が「普通の人間として」描かれているのが印象的だった。

なにより砂漠のど真ん中にいきなり人工の街を作り上げて、ウラン濃縮を実行し、プルトニウムの爆縮のデリケートで巨大な計算量をこれらの天才たちが期限内に着々と進めていく様子にあらためて驚く。そう、当たり前のことだけれどマンハッタン計画は生身の人間が悩みながらぶつかりあいながら手探りで推し進めてきたプロジェクトなのだ。

インディ・ジョーンズ「クリスタル・スカルの王国」でなぜか主人公が人類史上初の原爆実験の試験場に紛れ込んで、冷蔵庫に飛び込んで難を逃れるというお笑いシーンがある。最初に見た時には「そんなわけあるかい!」とツッコミをいれたものだけれど、爆風の強さや放射線の強さがたまたま偶然生存可能な範囲におさまっていれば、生き延びる幸運もありうるのかもね、とあとになって思い直した。

あの爆発のスイッチを押したのがオッペンハイマーたちのグループだ。

史上初の核実験に成功した後の主人公たちの葛藤や相克がこの映画のクライマックスなのだが、それは実際に映画館やネット配信などで確かめてほしい。

これは間違いなくアメリカ人の側からみたアメリカ人の都合にあわせて鑑賞できるように構成された映画だ。クリストファー・ノーラン監督の代表作のひとつといってもいいと思う。オッペンハイマーの葛藤や悲劇もうまく伝わってくる。

でもこれを日本で上映したらヒットするか、といえば、炎上すらしないのではないかと思う。映画好きなマニアが名画座でひっそりと監督の名作を味わう、そんな映画になりそうな気がする。

マンハッタン計画という名前を今回初めて知った人はもちろん見ておいて損はない。アメリカとドイツ、そしてアメリカと日本が辿った悲劇の道を繰り返さないためには、そこで生きていた人々がなにを考えなにを感じ、どういう決断をくだしたのか。知っておいてほしいと思う。

個人的にはファインマンがあまり出てこなかったのが物足りなかったのと、アーネスト・ローレンスが実験屋としてカッコいい役回りで出てくるのにしびれた。ローレンスは親日派として知られ、日米関係に暗雲が立ち込め始めた頃に渡米した仁科芳雄博士(のちに帝国陸軍の原爆開発計画の責任者)や荒勝文策博士(のちに帝国海軍の原爆開発計画の責任者)との親交が厚く、バークレー放射線研究所で彼が作ったサイクロトロンの設計図を渡したことなどで知られる。戦後はGHQがサイクロトロンを勝手に東京湾や大阪湾や琵琶湖に沈めたことに抗議し、日本の原子核物理学の復興に尽力した。とはいえプルトニウム爆弾製造の功労者でもあるんだよね。

映画を観おわって外に出ると、フロリダの空はどこまでも青かった。

オッペンハイマーの原爆、テラーの水爆、そしてそれを運ぶためのミサイル開発と東西冷戦と宇宙開発競争。この空はあの戦争の時代とある一つの世界線でつながっている。そんなことを考えながら帰路についた。

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2023/09/19

打上げの打上げで打上げを見る

Valiant Air Command Inc. Warbird Museumを見学したあとは知人たちと待ち合わせたピザ屋に向かった。初めて行く場所だけどGoogleマップで店内写真を見たらよさげだったので。

着いてみると大きなショッピングモールで建物が入り組んでいてどこに駐車したらよいのかがわからない。少しウロウロして車を停めて歩いて向かった。

 若い男女のスタッフがテキパキと働いている小綺麗なストアだ。いろんなトッピングをチョイスできるというのでサイズを決めてデフォルトの3種類にさらに3種類を追加注文して「なにを選ぶかおすすめをそっちで決めて」とぶん投げてみた。2人で顔をつきあわせてああでもないこうでもないとなにやら楽しげにトッピングを追加してくれている。あとでチップをはずもう。

しばらくして運ばれてきたピザを囲んで知人たちと話が弾む。うん、なかなかおいしい。アメリカを旅する時はこういうテイクアウト系の店で何人かでシェアするのがお気楽でよいよね。

 
夕方の便で帰国するという知人たちと別れて駐車場に戻る途中、シネコンがあるのを見つけた。へぇこんなとこに。いいモールだな。

 

今夜の宿にチェックインするまでまだ少し時間があるので、KSC以外の場所から打上げを見るとしたらどこがよいのか、軽くロケハンすることにした。ピザ屋のあるモールから少し南に戻ると川沿いにRotary River Frontという公園があって、正面にVABが大きく見える。

US Highway 1号線を北上するとSpace View Parkの脇を通り過ぎてA. Max Brewer Bridgeを渡る。この橋も海抜高度が高くて、橋のたもとに車を停めて橋の上から見物する、というのもおすすめらしい。ここからは発射台39Aがよく見える

余談になるがアメリカの道路網には US Highway と Interstate Highway の二つのシステムがあって、それぞれUS1、I-95などと呼ばれる。日本でいえば前者が国道、後者が日本道路公団の高速道路網にあたる。US1はつまり国道1号線というところか。メイン州フォート・ケートからフロリダ半島の先にある砂州の島キー・ウェストまで東海岸のほぼすべてを結ぶ全長3,846km、アメリカの国道の中でも最長の道路だ。ところがTitusvilleの街中では上下線がそれぞれ狭い一方通行の道に分離している。国道マニアな人にとってはアメリカの歴史の一端を垣間見ることのできるおいしい風景かもしれない。

橋を渡るとMerritt Island National Wildlife Refugeという野生動物保護区がある。砂利道へ車を入れると釣り人たちが魚を釣っている。ここから見るVABも趣があっていいね。

 

と思ったら、18年前にも同じようなことを考えて同じようなロケハンをしていた。

その後、Cocoa BeachからTitusvilleまで打ち上げ見学スポットを探しながらドライブする。ホテルで奨められたのはここ。自分でドライブしてみて「いいかも」と思ったのはここここ

ロケハンを終えてから今夜の宿のDays Inn by Wyndham Titusville Kennedy Space Centerにチェックインした。Best WesternとはI-95を挟んで反対側。

 
打上げの打上げの会場を予約しようと電話してみたら予約は受け付けないという。しょうがないのでとりあえず現地集合ということにしてUberでCocoa Beachに駆けつけた。今夜は飲むぞ。

2日前に集まったバーに行ってみたが、ライブをやっててうるさくてとても会話できない。某宇宙飛行士のおすすめでこちらの店に移動した。ここは星出くんの打上げのあとにも来た店だよね。


 

Crew7打上げの成功を祝して乾杯!


Falcon9 Starlink Group 6-11の打上げ時刻が近づいてきたのでテラスに移動してみんなで見守った。

ふぉおぉぉ〜綺麗な打ち上げだ! 1日で2回もFalcon9の打上げを見られるとは! SpaceXおそるべし。

一段目の燃焼終了と二段目の点火。

こんどこそ一段目の帰還を見届けるぞ! とずっと見張っていたけれど、返ってこない。この打上げでは回収船Just Read the Instructionsに降りたようだ。もしかしてLanding Zone 1に今朝の一段目が居座ってるから回収渋滞を起こしているのか? SpaceXおそるべし。

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2023/09/18

Valiant Air Command Inc. Warbird Museum

 Crew7の打上げを無事に見届けてバスがKSCVCの駐車場に戻ると、知人の一人は慌ただしくオーランド空港へと向かった。朝8時のフライトだそうだ。空港のセキュリティ通過に1時間かかったけれど無事に間に合ったとのこと。深夜の打上げだと当日朝のフライトでも間に合うのね。

Courtyard by Marriottに戻って仮眠して目覚めると某日本人宇宙飛行士からメールが着信。「今KSCにいるので今夜の打上げの打上げに参加したい」とのこと。ええっ、君フロリダにおったんか?! てっきりヒューストンでサポートしてるものだとばかり… 早速LINEグループで現地組と連絡を取り19時半にCocoa Beachに集まる予定を決める。ただ何人かは夕方の便で帰国するというので、昼食のためのよさげなピザ屋も別途Googleマップで探しておいた。

朝食を食べようとロビーに降りていくと、ディスプレイはCrew7打上げ完了の表示に変わっていた。

ひさびさにがっつりとホテルの朝食。

ホテルの庭を散歩。いい天気。インディアン川ごしに対岸のVABや発射台を眺められるベンチやハンモックがある。 ここから打上げを眺めるのもいいね。

のんびり寝転がっていると上空をセスナがヘロヘロと通っていく。ホテルの西にある飛行場を飛び立ってまた飛行場にもどるパターンだ。フライトスクールがあるのか。2017年には米空軍のサンダーバードが来たこともあるらしい。

そういえば昨日知人たちが行って面白かったと言ってたな。行ってみるか。

調べてみるとValiant Air Command Inc. Warbird Museumという博物館がある。Cortyard by Marriottをチェックアウトして車で向かうこと5分。近い。

ドアを開けるといきなりワイルドキャットが目に飛び込んでくる。

左手のショップのカウンターで入場料を払ってハンガーへ。B-25Jミッチェルの前でお父さんが子供に「この飛行機は日本が真珠湾攻撃をしたあとにだな」と語りかけていた。

「ドゥリットルですよね!」と割り込みたかったがドン引きされそうなので我慢した。

東京初空襲は B-25Bだったらしい。ここにあるのはB-25Jなので大戦後期のタイプね。

F-14Aトムキャット


なんでここにBlue Angelsが?!


C-47の天測儀 この機体はノルマンディ上陸作戦にも参加したという


MiG-17F ここにある機体は動態保存かな?



P-51を二機くっつけたXP-82
飛べる機体はこれだけらしい




F-8Kクルセイダー
日本では風間真の愛機として有名


ここにもBlue Angels



バケツソリューション

とにかくいろんな機体があって、体力的にぜんぶじっくりみていられない。

MiG-17を見てたら背後でいきなりエンジン音がしてこいつが動き出した。

距離が離れていたとはいえ、なんの警告もなしかよ。フリーダムだなぁ。

広い滑走路を端までタキシングしていって、ヘロヘロと離陸していった。お客さんを乗せての体験フライトかな?

 

2時間ほど堪能して知人たちと待ち合わせたピザ屋さんに向かった。

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2023/09/17

Crew7の打上げとFalcon9の帰還

American Space Museum & Walk of Fameを見たあとはCourtyard by Marriott Titusville Kennedy Space Centerにチェックインして、今夜半の打上げにそなえて仮眠した。ここは前週にKSCを訪れた知人から聞いていた「NASA・JAXA関係者いち押しのホテル」だ。なにしろ近い。KSCからインディアン川を渡ってすぐの場所にある。これ以上近いホテルはもう建てられそうにない。ロビーのディスプレイには次の打上げ予定時刻が表示されている。

 部屋にはCelestronの双眼鏡が標準装備されていて、NASAの写真集もある。序文を書いたのは米国惑星協会会長のBill Nye。

知人からの情報では屋上にも出られるので、たまたまTitusvilleに用事があってたまたまロケットの打上げ時刻に居合わせたという人にとっては、事前準備なしに落ち着いた環境でじっくりと打上げを眺められる最高の場所の一つかもしれない。

あと部屋がなんといっても真新しくて清潔だ。安モーテルに連泊した疲労が嘘のようにほぐれていく。部屋には40インチくらいの巨大ディスプレイがあって、iPhoneやiPadからAirPlayで接続して自分の好きなコンテンツをストリーミングすることもできる。「ITギークのニーズをよくわかっている感」については日本でいえばアパホテルをもっとゆったりと広くしてあの社長の顔とかああいう系の本を無くせばイメージが近いかもしれない。なるほどKSCに仕事で来る人ならここがまずいち押しだ。

あえて難点をいえば徒歩圏内にはコンビニもジャンクフードの店もない。連泊するとシリコンバレーにあるような意識高い系のレストランで毎日同じようなメニューを食べるはめになるのはちょっと食傷するかも。

仮眠してからホテルを出発し、10分ほどで深夜のKSCVCに着いたが、少し渋滞していた。Wave Acrossの時とちがって今夜はKSCVCの正面のゲートから入る。

特設ゲートで持ち物検査と金属探知機のチェックを受けてKSCVCの中へ。

見学場所に向かうバスに乗る前に記念撮影。

 発射台39Aから見学場所までは6.3kmほど。シャトルの時もそうだったけど、ロケットはガントリータワーの影に隠れていてここからでは見えない。

見学場所のスタジアムの前には古川さんとロシア人宇宙飛行士コンスタンチン・ボリソフさんの等身大パネルがあって、みんな思い思いに記念撮影している。
こういうスタジアムがぜんぶで7つあって、われわれはいちばん右端の「G」

横には巨大なLEDスクリーンがあってNASA TVのストリーミングを流してくれているが、眩しいので発射の時には消灯される。

午前3時27分(日本時間16時27分)発射。肉眼で発射台を見ながらiPhoneでコンデジのモニタ画面を録画する。NASA TVのストリーミングが20秒近く遅れて聞こえるので、気がついたらロケットに点火されていた。
かっこいい。優雅に上がっていく。シャトルのSRBのような眩しさはないが、夜間なのでとても明るくて綺麗。写真ではどうしてもふくれて映るが、肉眼ではくっきりとしたレーザービームのような光点がスルスルとスローモーションのように滑らかに進む。鳥肌が立つ。

SONYコンデジで撮った動画。35mm換算で720mmの望遠。

動画からの切り出し。


シャトルの時はよいしょ、よいっしょ、という感じで上っていくさまがいじらしく見えたが、Falcon9は「今日もお仕事しまっせ」みたいな雰囲気で職人仕事のようにするすると駆け上がっていく。爆音も優しい感じの音がする。「ずいぶん高く上がるな」と首を真上に曲げて光点を追いかける。シャトルの時は仰角45度くらいの感覚だったけれど、Falcon9は仰角60度か、あるいはもっとありそう。そうか、第一段をKSCまで戻そうと思ったら、先に高度を稼いで水平速度成分は小さいほうが帰還に有利なのか?

第一段分離!

天頂付近で妖精が花を咲かせたような淡い光輪が開く。すげー。また鳥肌が立つ。これは夜間の打ち上げでしか見られないね。自分では写真を撮ることを諦めていたので、ミラーレス一眼でずっと追いかけていた知人の写真を許可を得てここでご紹介。


Image Credit: Ryuichi Hasuo

Image Credit: Ryuichi Hasuo

さすがに暗すぎて手ブレしてしまっているけれど、かえってそれがこの幻想的なシーンをうまく再現しているように思える。

 [追記 John Winkoppという人がCocoa Beachから撮ったこの時のブースター噴射の写真がAviation Weekの2023年の最優秀賞に選ばれています。幻想的!]

この知人の渾身の一枚がこちら。さすがコンデジとは画質が違う。


Image Credit: Ryuichi Hasuo

さて、第一段の帰還を待つ。Falcon9の一段目がKSCまで戻ってくるのはこれまでにも何度もあったけれど、じつは有人のCrew DragonでKSCに戻すのはこれが初めてになる。案内役のJAXAの人もこの場所で見たことがないのでどこをどう見ていたらいいかの説明ができないようだ。

光輪が咲いた場所と帰還する場所(Landing Zone 1)の場所はだいたいわかっているので、首を大きく曲げて流星群観測の時のように視野全体に注意を向けていたのだが、思いもよらぬタイミングで「パンパン」と衝撃音が聞こえて、すでに着陸してしまっていた。これはどこを見ていればよいのかわからなくて難しい!

ともあれ、よい打上げでした。古川さんのミッションの成功とご無事のご生還を。

シャトルとFalcon9の違い、昼間と夜間の打ち上げの違い、さまざまな感慨に浸りながらバスに乗ってKSCVCの駐車場まで戻ってきた。

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